正誤表 『スティ-ブ・ジョブズと井深大 二人の“イノベ-ション”が世界を変えた』 - 2025.03.06
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2025.03.06
ソニ-の奇跡/井深大の「箴言」と変革リ-ダ-の「格言」
著者 | 豊島 文雄 著 |
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ジャンル | ビジネス |
シリーズ | 自己啓発(ビジネス) |
出版年月日 | 2024/11/28 |
ISBN | 9784341088743 |
判型・ページ数 | 4-6・264ページ |
定価 | 本体1,400円+税 |
まえがき
2025年、アメリカと日本では、従来の政策をがらりと変える国のリーダーが登場し、これまでと全く異なる世界となる。
アメリカ国民は2025年の新大統領として「アメリカ・ファースト」のトランプ氏を選んだ。バイデン政権が担ってきた「世界の警察官」としての対ロシアに向き合うNATOやウクライナへの支援を止めさせ、その予算を国民が困窮している物価高や、押し寄せる移民を断ち切る政策を支持した。
国際的役割や民主主義を侮る新大統領の品位欠如には無関心だった。
一方、わが日本国のリーダーには2024年末、多数派を占めていた縁故主義者の安倍首相の対極にいた石破茂氏が着任した。地方活性化など衰退日本を変革する政策を掲げている。多数派の安倍首相派閥の流れをくむ影のボスによる封じ込めに押されながらも、少数与党ながら数少ない同志とともに、政策ごとの野党連携によって日本を変革させるよう願っている。
本書は、第Ⅰ部「ステイーブ・ジョブズと井深大のイノベーションが世界を変えた」第Ⅱ部「ソニーの軌跡/井深大の「箴言」と変革のリーダーたちの「格言」、という構成になる。
第Ⅰ部/第1章は「2025年からの日本におけるパラダイムシフト=日本発世界インフラ新時代“日立の成功に学べ”」
2024年、日本企業の活路は、少子化が加速し、一人当たりGNPでは後進国レベルとなった日本の国内需要を当てにしないで、世界の需要国に、企業の司令塔を置いて稼ぐ時代に変化している。
代表的なホンダジェットはアメリカに司令塔を置いて世界各国にホンダジェットを輸出している。ソニーとそのホンダとソニーの合弁会社が2025年に発売するAI技術搭載のレベル3の自動運転車「アフィーラ」。これもアメリカに司令塔を置いてホンダの現地工場で2025年から生産する。
さらに、日立製作所は鉄道車両インフラ事業の司令塔「日立レールヨーロッパ」をロンドンに置いている。ここから、欧州各国、北米、アジア等に日立レールの子会社・鉄道車両工場を展開し現地国の雇用に貢献している。今や鉄道インフラ供給ビジネスで日立レールヨーロッパはGAFAMに並ぶ世界企業としての勢いをつけている。
これら日本企業による事業について、「日本発世界インフラ時代到来“日立の成功に学べ”」として紹介する。
第2章は、「ソニー創業者井深大とアップル創業者スティーブ・ジョブズの人生哲学=新製品で人々の暮らしを変える」まさに現代の人々の生き方を感化させるものがある。
ソニーの井深大とジョブズが創業したアップルを世界企業に躍進させる原動力は時代ごとに移り変わるイノベーションの未来を的確に予測する能力にある。 2人ともイノベーションは、論理的思考からは導き出せるものではなく、非連続な直観によって示唆されると信じていた。
墓場で一番の金持ちになったところで意味はない。夜、眠りにつくとき、我々は素晴らしい事を成し遂げたと言えることが重要だとする 2人の共通した生き方などを取り上げる。
第3章は、「井深大 イノベーションの遺訓」
井深にとって新製品は、老朽化した市場を破壊し、世の中に存在しなかった新しい市場をクリエートする存在。ここに企業活動の真髄があるとしている。
クレイトン・クリステンセンは著書『イノベーションの解』(2003年翔泳社)において、「ソニーは我々が知る唯一の連続破壊者である。1950年から1982年の間、途切れることなく 12回にわたって破壊的な成長事業を生み出した」と記している。
井深自身も「エジソンの頃と違って、新発明が次から次へと飛び出す時代ではない。だから原理そのものから新しいものを作るインベンションよりも、その商品性あるいは製造法にさらに磨きをかける新たなテクノロジーを駆使するイノベーションが重要である」と遺訓している。
第4章は、「スティーブ・ジョブズの遺訓」
アップル社創業理念のたて糸は「世の中が必要だと思ってもいないものをアップルがテクノロジーを提供することで人々の暮らしを変革させる」。これはアップル創業者であるスティーブ・ジョブズの遺訓でもある。
彼の人生において大きな影響を与えたのは、二人の日本人、禅の曹洞宗僧侶・乙川弘文導師とソニー創業者との、いわば「運命的な出会い」であった。
ジョブズが禅にはまり込んで仏教徒になったのは、禅の2つの要素の「知恵」と「パワー」に引かれたからだった。
知恵=先を見通す能力、パワー=内面的な力。
後にアップルの社員達はジョブズの唯我独尊的なパワーの発揮を「現実歪曲フィールド」と名付けていたが、結果は歪曲どおり実現するのに社員はあきれていたという。
当時のアメリカのビジネスマンの間で、禅は論理的思考だけでは叶えることのできない「イノベーション」につながるとされ一大ブームが起きていた。
そしてもう一つ、アップルを創業する間数年前に日本を訪れ、あこがれていたソニー創業者井深大らと面会し、そのポリシーである「人のやらないことをやる」という企業理念に感動した。また繁華街である「日本の銀座やニューヨーク 5番街に直営店を持つ」という企業戦略も学んだ。
ジョブズが創業したアップル社は 21世紀に入ってiPod’ iTunes’ iPhone’ iPad’ iCloudといった新製品を通して世界の人々のライフスタイルを変革し続けてきた。
これらのことを第4章「スティーブ・ジョブスの遺訓」に記した。
第5章は「 40年周期のパラダイムシフトの歴史をめぐる」
この章の副題は「その時の指導者が国家の盛衰を決める」であり、国や企業において、変革のリーダーは国を栄えさせ、縁故主義のリーダーはそれを亡ぼす、これに道理あり、である。
近代日本の開国を起点として 40周年周期で起こる国の繁栄と没落には、国のリーダーである首相が変革リーダの時に繁栄と平和がもたされ、縁故主義リーダーの時には国が没落し国民が困窮することが繰り返されている事実がある。
だから井深は、自分が生きていない21世紀の戦後80年目の2025年の国のリーダー次第で、豊かな国になるか、悲惨な国になるかが決まると遺訓していたのだ。
2024年10月14日スエーデン王室科学アカデミーはノーベル経済学賞を発表。国が衰退する原因がその時の政治体制によることを明らかにした3人のMITとシカゴ大学の教授らに授与した。
古代ローマから、現在までの国家の衰亡を分析して、国の繫栄や衰亡の原因は、政治制度が包括制度の時には繁栄し、抽出制度の時には衰亡するとの研究成果が認められたのである。
近代日本の歴史から本書が「国や企業の変革リーダーは栄えさせ、縁故主義リーダーは亡ぼす」との理(ことわり)は、ローマ帝国から現代までの国家の衰亡にも適用できることがこのノーベル経済学賞でも明らかにされたのである。
縁故主義はネポティズム(Nepotism )といって欧米で広く定義されている言葉の日本語訳である。社会学では同族、同郷者に限らず、同じ共同体に属する排他的思想に偏る内集団をさす。
自分の縁故者や派閥のメンバーたちだけで利益をむさぼって、己らの豊かな生活を享受するため、膨大な国債を発行したり、企業の負債を増やして、後世に続く若い人々に負担を強いて困窮することになっても平気でいるという特徴を持っている。
野党側から規制を求められている「企業献金」問題があるが、現在でも、自民党を中心に関連業界ごとの派閥である財務族、金融族、運輸族、農林族などといった政治家が特定の業界団体と密接な関係を維持しているといえる。
第Ⅱ部では、筆者が纏めた「井深大の箴言」と筆者が仕えた「ソニー変革リーダーの格言」を紹介する。
筆者が入社当初から退任までに側近として仕えた、多くの優れたソニーの変革リーダーたちが、それぞれの業績を回復させ、ついには業界NO1の座を占めるまでの様々な布石のノウハウを目撃して記録してきた。
一つの組織・企業の中でも、トップ、リーダーが油断すると、各セクションでお互いが楽をしようとし、それらが組する派閥・縁故主義リーダーが企業の業績を悪化させる。これを立て直すために変革リーダーが送り込まれて、業績が回復したとたん、更に別の採算悪化している事業部門の再建に送り込まれる。
業績回復がなされた事業部門には、再びスタメン縁故主義リーダーに引き継がれるという循環がなされている。好き嫌いの激しい人間社会の宿命でもある。
著者自身のこれら体験は、その後、昇格者研修などを託された時の教材として、テキストなどを作成。ソニー退任後も含め、その後 10年間、各企業の講師として招かれ延べ6000人に教え続けていた。
本書を読まれた方が、井深やジョブズの遺訓にふれることにより、自身が生きているこの時に、後世の日本人がより便利に豊かに暮らせることに貢献しようと思っていただければ幸いです。そうすれば、あなたの人生は至高のものになるでしょう。
2024年 10月
豊島 文雄
◆著者略歴
豊島文雄(てしま ふみお)
早稲田大学理工学研究科修士課程卒、1973年ソニー㈱入社。
ウオークマン発売6年前のテープレコーダ部署に配属。その後、カメラ&ビデオ事業部等を歴任。
1986年ソニーの幹部クラスの直属スタッフ・企画業務室長を務めながら、1998年主席(マネジメント研究分野の部長級専門職)、2002年ソニー中村研究所㈱設立時、取締役。2007年井深大の経営手法と人生哲学を啓蒙する「㈱1・10・100経営」を起業。ソニー現役時代を含め、延べ6000名研修した実積がある。
著書に『井深大の箴言』『井深大と本田宗一郎の遺訓』(ごま書房新社刊)
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