正誤表『大学受験 日本史 形式別演習ドリル』 - 2024.04.03
心揺るがす講演を読む
その生き方、その教え。講演から学ぶ
はじめに
「はじめに言葉ありき」とは、新約聖書の冒頭に出てくる有名な一説である。
「はじめにあった言葉」とはいったいどんな言葉なのだろうと思って調べてみた。
どうやら旧約聖書の冒頭に出てくる神の言葉「光あれ」のようである。
その箇所を覗いてみると、まず「神は天と地を創ったが、まだそこは闇の世界だった」とある。そこで第一声が放たれる。「光あれ」と。こうして宇宙の歴史が始まった。
聖書はいくつもの世紀を越えてその時代時代の人々に支持されてきた永遠のベストセセラー書であるから、異論を唱えるつもりはないが、でも唱えたい。
はじめにあったのは言葉ではなく「思い」のはずである。
「光あれ」は、「よし、これから宇宙を創り、ゆくゆくはこの宇宙を治める人類を創るぞ!」 という強い思いが、その言葉に読み取れないだろうか。
確か日本語訳が「言葉」なのであって、元々は「ワード」ではなく、ギリシャ語やラテン語の原書では「ロゴス」だと聞いたことがある。
「理法」というか「法則」という概念に近い。それでもその前にはやっぱり「思い」 があったと思う。
やや宗教臭い奧い話から始まってドン引きした人もいるかもしれないが、要は言葉というものは「思い」が形になったものである。
長年、私はさまざまな講演会を取材させてもらってきた。そして一言で表現するなら「面白かった話」を、日本講演新聞という講演会専門紙で紹介してきた。
あえていくつかの言葉を借りるとしたら「感動した話」「勉強になった話」「ワクワクした話」「涙が出た話」「なるほどと思った話」等々。
そういう話を聞いた後、会場を出たときに何と言うか想像してみると分かるだろう。 「あ〜、今日の話は面白かった」である。
「面白い話」は講師の「思いの強さ」と比例する。「私の話を聞くためにわざわざこの会場に足を運んでくれた人たちの心を満足させないで帰せてなるものか」という思いである。
そのために講師は講演の中身をあらかじめ準備する。会場を笑わせるネタを仕込む。 話の構成を考える。また日々話し方のスキルを磨く。
とにかくスピーチを頼まれたらそこに魂を込める。講演の時間は、聴きに来てくださった方の人生の貴重な時間だからだ。
講師の中には天才的な人がいて、全く何も準備せずに会場に到着し、壇上に立って 聴衆の雰囲気をつかんで話の内容を考える人もいるが、それはそれですごいと思う。
【中略】
日本講演新聞は、90分の講演会を取材し、その中身を編集して 活字にしている。
講演は聴くものであると同時に、読みものとしても、十分に読み手を満足させることができる。
過去の講演記事は1500本にも及ぶ。そのうち電子版を購読すると550本ほどの講演記事が読み放題である。掲載してから時間が経っている記事もあるが、どれ一つ色褪せていない。
今回、その中から10の講演記事を転載させていただいた。(はじめに/より)
監修:水谷もりひと
日本講演新聞編集長
昭和34年宮崎県生まれ。学生時代に東京都内の大学生と『国際文化新聞』を創刊し、初代編集長となる。平成元年に宮崎市にUターン。宮崎中央新聞社に入社し、平成4年に経営者から譲り受け、編集長となる。28年間社説を書き続け、現在も魂の編集長として、心を揺さぶる社説を発信中。
令和2年から新聞名を「みやざき中央新聞」から現在の「日本講演新聞」に改名。
著書に、『日本一心を揺るがす新聞の社説1〜4』『日本一心を揺るがす新聞の社説ベストセレクシヨン(講演DVD付)』『この本読んで元気にならん人はおらんやろ』『いま伝えたい!子どもの心を揺るがす“すごい”人たち』『仕事に“磨き”をかける教科書』(以上ごま書房新社)など。
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あとがき 水谷もりひと