誰も知らない鎌倉教えちゃう

まえがきにかえて・・・・・村上信夫(ムラカミノブオ)

　「食べること大好き。本読むこと大好き。音楽聴くこと大好き。
　そして鎌倉大好き。月乃南がお届けする『ナミの鎌倉ナビ』」

　番組のオープニングの決まりコメントだ。
　彼女は、本当に食べることが好きだ。番組の第一回の日、緊張で食べ物が喉を通らないといいながら、ランチをペロリと平らげた。
　彼女は、本の虫だ。一説には、部屋の床が抜けるくらいの蔵書数だという。本に囲まれて暮らすのが何よりの幸せのようだ。
　彼女は音楽にも精通している。クラシック、ポップス、ジャズ、ボサノバ･････ジャンルは幅広い。
　そして、何より鎌倉に詳しい。古今東西、路地裏まで知り尽くしている。鎌會をナビするには、うってつけの存在だ。

「ナミさんのナビのおともをする」ムラカミはといえば、「日本一でしゃばりなアシスタント」と豪語はすれど、ちょっとやそっとでは動じない、いつも涼しい顔しているナミさんには、到底、太刀打ち出来ない。
　放送局のマイクの前で、フツーに話せるということを、ここまでやってのけるとは思いもしなかった。もう一度言うが「フツー」に出来ることは、それが才能なのだ。
　格好つけたり、大袈裟にしたりすることは 一切ない。これだけ好きなことを極めていると、ひけらかしたくもなるものだが、それも一切ない。非日常空間ともいえるスタジオで普段着感覚で話すことは、そう簡単に出来ることではない。そのことに当の本人はまったく気づいていない。

　エグゼクティブアナウンサーだったボクは、最近、「エグゼクティブお節介」とも呼ばれている。『クラブハウス』という音声メディアで、ナミさんのフツーのトークに聞きほれ、鎌倉エフエムの番組に誘うお節介をした。
　おかげさまで、番組は好調だ。
　ナミさんの視点で紹介する鎌會情報は、これまでにない誰も知らないものだ。
　たとえ知っている場所でも、新たな気づきがある。ありのままの自然体で語られると、心が和らぎ、ほっこりする。そして、ナミさんにナビされるがまま、その場所に行きたくなる。
　この書籍も、編集の妙で、番組のテイストが、そのまま生かされている。ぜひ放送を聞く感覚で楽しんでいただきたい。

あとがき・・・・・月乃 南(ツキノナミ)

　人生は、何が起こるかわかりません。
　去年の今頃、まさかラジオのパーソナリティをするなんて、夢にも考えたことがありませんでした。ましてや本が出版されるなんて、想定外もいいところ。
　今こうして書いていてもまだ全然現実味がないのです。
　でも、振り返ってみるとその時その時に起こった色々なことがすこしずつ絡まって今に続いている･････。

・コロナでおうち時間が増え、今まで敬遠していたSNSと距離が近くなったこと。
・10年ちかく朗読をしてきたこと。
・ラジオ好きで、音楽聴きながらの生活が長かったこと。
・子どもの頃から本が大好きだったこと。そこから長年ブックデザインに関わる仕事をしてきたこと。
・若い頃さんざん食べ歩きをしてたこと。
・もっと遡れば、鎌倉という、海も山もある自然に近い環境で育ったこと。

　それぞれの事は全く別々の事のようで、今ここからみると全て繋がっているのです。

　伝説的なスティーブ・ジョブスのスタンフォード大卒業式のスピーチ。多くの方がご存知かと思いますが私の『座右のスピーチ』のひとつで、ここにもこの点と点が繋がる話がされています。

Again.
You can’t connect the dots looking forword ; you can only connect them looking backward.
So you have to trust that the dots will somehow connect in your future. You have to trust in something­your gut, destiny, life, karma, whatever.

(繰り返しますが、将来をあらかじめ見て点と点を繋ぎ合わせる事はできません。あとから見て繋がっていたと気がつくだけです。だから我々は今やっていることが将来につながって何かの実を結ぶと信じるしかない。運命、カルマ･････何かを信じるしかないのです)

　そんな人生の粒々が、受験に失敗したり、恋愛でうまくいかなかったりの、その時はもう最悪～！って思えたことも、それがうまくいっていたら、今ここにはいないのだから、とても不思議で面白い･････。
　まだまだ学ぶこと多く、想定外が来る。皆さんもそうです。それを楽しめる度量を持たねば！と思います。

　そして、今こうしてあらためて思う事は、なんと多くの方に助けられ支えられてるのだろうと、それに尽きます。毎回スタジオでサポートしてくださる村上信夫さん、鎌倉エフエムの北村公宏局長はじめ、いってらっしゃい、と送り出してくれる家族、下調べに付き合ってくれる父や妹、毎回放送を聞いてくれる仲間や友人、リスナーの方々。快く引き受けてくださるゲストの方々。そして、なんといってもこの本を世に出してくださるごま書房新社の池田雅行社長。
　この方々にどうやって有難うを伝えたらいいのかと思うくらいです。

　鎌倉は、今年は大河ドラマの舞台でさらに注目度アップで新店ラッシュですが、元々ある歴史や文化、自然の良さ、大切さをもっと伝えていけたらいいなと思います。
　今後ともどうぞ、鎌會FM「ナミの鎌倉ナビ」をよろしくお願いします！

伝えきれない感謝を込めて

♦著者略歴

月乃 南(つきの なみ)

1965年東京生まれ。鎌倉在住。
グラフィックデザイナー、アートディレクター
絵本朗読家
広告制作会社勤務のち独立。
フジテレビ系列ドラマノベライズ本、実用書シリーズ等ブックデザイン多数。
2009年より広告デザイン会社設立。
2021年よりクラブハウスがご縁で絵本朗読家として活動。
2022年1月より鎌倉FMで元NHKアナウンサー村上信夫さんと「ナミの鎌倉ナビ」 スタート。

村上 信夫 (むらかみ のぶお)

1953年京都生まれ。元NHKエグゼクティブアナウンサー。
これまで、『おはよう日本』『ニュース7』などを担当。2001年から11年に渡り、 NHKラジオの「声」として活躍。
現在は、「嬉しいことばの種まき」をテーマにした活動を、全国各地で幅広い年齢層に向け、精力的に行っている。東京・京都・大阪などで「ことば磨き塾」を主宰。東京・麟祥院で、月1回「大人の寺子屋」も開催。
放送中の番組は、文化放送『日曜はがんばらない』、シャナナTV『縁たびゅう』、 FM805『たんば女性STORY』。
著書に『嬉しいことばが自分を変える』(ごま書房新社)など多数。
■ http://murakaminobuo.com

♦制作協力 鎌倉エフエム放送

目次♦誰も知らない鎌倉教えちゃう

まえがきにかえて

Chapter1　誰も知らない鎌倉のスポット教えちゃう

最初のおすすめスポットは頼朝公のお墓です
心にモヤモヤがたまったらここでリセット〜妙本寺
祭神は「鎌倉殿」の敵？ 開運と受験はここにおまかせ〜葛原岡神社
時を超えて川端康成に出会えるかも〜鎌倉文学館エリア
静かにお花を楽しみたいならここ！ 四季の彩りあふれる庭園のお寺〜光則寺
鎌倉を代表する美人画が目に優しい〜鏑木清方記念美術館
大河ドラマのリアルが楽しい〜鎌倉歴史文化交流館
地味で奥ゆかしい魅力が大人の心にジワッと染みる 臨済宗の開祖栄西のお寺〜寿福寺
鎌倉ナンバーワンの夕陽スポット 光射すお寺〜光明寺
これぞ鎌倉！ 重厚な中世の空気感が味わえる祈りのお寺〜覚園寺
磯遊びと貿易の歴史をいそいそと楽しみに〜和賀江島
愛の武士 北条重時が建てたお寺〜極楽寺
ここはどこ？ 今はいつ？ 不思議なタイムスリップ感があるお寺〜海蔵寺
お屋敷街から江ノ島と富士山を一望〜鎌倉山
カワセミが来る湿地帯 地元民の秘密の散策路〜夫婦池公園
北鎌倉から緑の風に吹かれて鎌倉へ〜浄智寺から亀ヶ谷坂切通
定番のサンセットデ—卜＋温泉？ 〜稲村ヶ崎

Chapter２　誰も知らない鎌倉のグルメ&ショップ教えちやう

開店は月4日！ 自家製酵母パンとお菓子のお店「日菓」
本場の食材にこだわったイタリアンバール「ヴィコロ」
紅茶ならここ！ 直輸入の紅茶が美味しい「ブンブン紅茶店」
天然物？ 一匹ずつ手焼きが美味しい“たい焼き”「なみへい」
向田邦子先生御用達！　絶品食材が集まるお店「三留商店」
プ—ルサイドで角打ちも ナチュラルチ—ズ専門店「ポルタ厶」
不定期開店で長蛇の列 焼き菓子と自家焙煎コ－ヒーのお店「トロッコ」
ゴ—ルデンエイジ向けの子どもとママのための服「アルカマック」
おそばも絶品！奥座敷に控えるミシュランーつ星の本格和食「米倉」
美人母娘の味再び 地元民待望の広島風“お好み焼き”「かたつむり」
あんこが絶品 クリ—厶が絶品 每日食べたいパン「ブ—ランジュリ—べべ」
読み終えたら買取も 本を共有できるブックカフェ「惣common」
東京の人気パテイスリ—が絶景のイ—トインを展開「ル･ミリュウ」
正統派の日本料理が美味しい隠れ家割烹「虹」
湘南の素材にこだわり！ SDG'sなジェラ—卜店「GELATERIA SANTi」

Chapters３　鎌倉ゆかりの著名人に誰も知らない鎌倉を教えてもらう

お気に入りはない！ 執着を捨てて流れのままに〜円覚寺派管長 横田南嶺さん
「愛の武士道」「女子の武士道」を教える〜文筆家 石川真理子さん
北鎌倉は最高のヒ—リングスポット〜絵本作家 葉祥明さん
鎌倉では一本下駄をはいて市場にお買い物〜俳匱 鶴田真由さん
鎌倉在住1年「每日がこんなに楽しくていいの？」〜女優 土居裕子さん

あとがき