正誤表『大学受験 日本史 形式別演習ドリル』 - 2024.04.03
目指すは!“かかりつけ医”より“かかりた医”でしょ!
患者も医者も知っておきたい20の“常識”
はじめに
患者にとって「良い医者」とはどんな医者なのでしようか?
当たり前のように通院している病医院と、そのかかりつけのお医者さん「かかりつけ医」。
じつは、その「かかりつけ医」に満足していない患者が8割もいるとしたら、読者のあなたは「えっ」と驚かれますか、それとも「たしかに」と得心されるでしようか。 ※第Ⅱ部参照
「良い医者」とは…。
その答えは、「患者の幸せな人生に貢献してくれる可能性が高い医者」と私は考えます。
本書では、まず患者の皆さんに、「良い医者」の見極め方を、さらには「普通の医者」、できれば関わりたくない「悪い医者」について、20項目について提言させていただきます。
さらに、お医者さんたちに対しては、患者が医者をどう評価しているか、その実態と対策を具体的な数字を示しながら提言させていただきます。
ところで、コロナショックで打ちひしがれているのは、飲食業界や観光業界ばかりではありません。悠々自適な在宅勤務でも収入が100%保証されている公務員や大企業組の一方で、中小企業以下のビジネスパーソンの多くが、今でもつぎの仕事や職場や働き方を追い求めています。
そして、意外に思われるかもしれませんが、医療業界とて決して例外ではないのです。じつは首都圏でも開業医の経営状態は芳しくありません。とにかく患者が来ない…。 一年でもっとも稼げるはずだったインフルエンザと花粉症の季節。そこに緊急事態宣言等による外出制限が重なったことで、一般企業なみに資金繰りに苦慮する開業医の姿も珍しくないのが実態です。さらに言えば、この状況は、例えコ口ナが過ぎ去った としても好転することはないと思われます。
大医、国を癒す
中医、人を癒す
小医、病を癒す
愚医、何も癒さず
いにしえの中国に、こんなことばがありました。
糖尿病の患者を例に、現代の医療に当てはめてみると…。
愚医は、薬を処方して血糖値を下げる
小医は、異常値をもたらした原因を問診で突きとめ、「暴飲暴食を控えよ」と告げる
中医は、問題行動の裏にある生活上のストレスを聴きだし、「適職が見つかりますように」とエールを贈る
大医は、意志あるものが職に就けない現状を憂い、政府の誤った経済対策に警鐘を鳴らす
こんな感じになるでしょうか。
このような医療界にあって、巷の病医院はどうでしょう。そこにいる医者たちは、99%が愚医になってしまうかもしれません。ただそれは当然の話でもあります。
現在の医療制度では、いくら患者の話を聴いてやったところでおカネにならないのですから。そんな暇があったら、次の患者を診察室に迎え入れたほうが得策なのは明らかです。
しかし、です。幸か不幸か、新型コロナのおかげ (?) で開業医も変わらざるを得なくなりました。長い間、従順に医者に盲従していた「生活習慣病患者たち」が通院を控えたからです。
結果、クスリなんて飲まなくたって、いや、飲まないほうが健康になることに気づいてしまったからです。医者にとっては、まさしく不都合な真実が、白日の下に晒されてしまったわけです。よって、コロナが収束しても患者は愚医のもとへ戻ってはこないでしよう。
都市部では、すでにそれが数字に表れています。私たちの独自の聞き取り調査では、 収益の8割以上を生活習慣病患者で賄っている病医院では、新型コロナが収束したとしても、通常時に比べ30%の患者減となる見込みです。内科・整形外科・皮膚科・眼科のいずれも似たような数値になりそうです。
まずは、医療を利用する患者のみなさんへ。
本書にある「20項目」をお読みいただき、かかりつけの医者や、これから出会う医者を厳しくチェックしてみてください。医者は患者がいなければ医者ではあり得ません。
みなさんがお住まいの地域で、生き残ることができる医者を選ぶのは、他でもないみなさん自身なのです。これを機に、惰性のように医者の言いなりになって、何年も通院してクスリ漬けのようになってしまう愚かな患者から脱却してください。
つぎに、開業医のみなさんへ。
2024年、財務省と厚労省は大鉈を振るいます。霞ヶ関でいうところのダブルインパクト。診療報酬と介護報酬の同時マイナス改定です。コロナ禍の状況をみれば卜リプルインパクトと言ってもいいかもしれません。患者減のみならず、患者単価までもが引き下げられるわけで、医療経営はきびしい冬の時代を迎えることになるでしょう。
そうした中、団塊世代のすべてが後期高齢者 (75歳)となる2025年。
地域で生き残るために開業医のみなさんがなさねばならないことは、患者の「内なる声」に耳を傾けることです。「究極のかかりつけ医」、すなわち「かかりた医」になるための施策に取り組むことです。
医療を提供する側にも、医療を利用する側にも、わかりやすく、かかりつけ医のあり方について具体的に提言したつもりです。
本書がひとりでも多くの良医を増やし、ひとりでも多くの主体的な患者を増やすことを切に願っています。
2022年6月
医療経営を革新する百寿グループ代表 山崎宏
◆著者略歴
山崎 宏 (やまざきひろし)
3つのシュウカツ『終活(円滑老後&生涯主役人生)・就活(シニアビジネスで活躍する人のキャリアアップ)・集活(診療所の患者集め)』をフルサポートする百寿グループの代表。今夏より、24時間365日対応の電話相談サービス『お困りごとホットライン』の診療所向け受託サービスを開始。併せて、契約先診療所の患者からの相談に対応する認定資格「百寿コンシェルジュ」の育成に力を入れている。
主著に、「古希までに知っておきたい70の知恵」・「何がめでたい日本人の老後」・「誰も教えてくれない老老地獄を回避する方法」・「老健が認知症の親からあなたを救う」・「家族みんながハッピーになる高齢者ホームの探し方」等がある。 医業経営コンサルタント、社会福祉士、認知症学習療法士、心理カウンセラー。 1961年、東京都世田谷区出身。慶大卒。
「普通の医者」「良い医者」「悪い医者」
1限目 オリエンテ—シヨン
「良い医者」とはどんな医者???
2限目 病医院の門構え
「診療科目」が内科、呼吸器科、循環器科、消化器科、内分泌科、 神経内科、皮膚科…。
このお医者さん、いったい何科が専門なの?
3限目 初顔合わせ
「挨拶」は人間関係の基本。果たして名乗ってくれるや否や?
4限目 患者の識別
まさか主治医が、あなたの名前を知らないなんてことは……
5限目 問診
診察の基本『視診・問診・触診』で医者の姿勢がわかる!
6限目 風邪の診察
医者の技量は風邪でわかる!
7限目 診立て
医者の辞書に「わからない」はない?
8限目 時間外の相談体制
あなたの主治医は、緊急時の連絡先を躊躇なく教えてくれますか?
9限目 検査
そのの検査、今どうしても必要な検査ですか?
10限目 説明(インフォ—ムドコンセント)
主治医の説明。わかりづらくないですか?感じ悪くないですか?
ここまでの10講座、いかがでしたか。
ここでちょっと“頭の休憩”
◆医者にとって年寄りは大事な「飯の種」
11限目 薬の処方
「薬漬け」にされていませんか?
12限目 紹介(セカンドオピニオン)
遠慮無用、他の医者に意見聞くのは当たり前!
13限目 カルテ
カルテのコピーを拒む医者とはサヨナラしよう
14限目 入院
安易に入院をすすめる医者にご用心!
15限目 退院時のフォロ— (地域連携)
一方的な退院勧告にはこう対処すべし!
16限目 手術
ちょっと待った!セカンドオピニオンなしに「切るベからず!」
17限目 延命治療
せめて死ぬときくらいは自分の意思で!
18限目 医療界の慣習
医者の本音は、「治さず殺さず末永く…」
19限目 患者の心得
医者に依らしむベからず(期待をするベからず)
20限目 病医院が発信すべき情報内容
第Ⅱ部 目指そう!これからの医者は"かかりた医“!
―“かかりつけ医”アンケート調査編—
かかりつけ医の満足度は20%未満?!
はじめて出向く病医院を患者たちはどうやって決めているのか
一度おとずれた病医院にまた行くかどうかは何で決まる?
好感度ってなんなのさ!?
本当に人間的魅力(好感度)だけでいいのか?
人は何に悩んでいるのか
いつでも・なんでも・気軽に相談できる窓口
かかりつけ医にこんな相談窓口があったらいいのに
新型コロナで変わる患者と医師との関係性
2025年の診療所モデル
患者さんに訊いた病医院での感動体験
地域になくてはならない医師になるための
医療経営者の十戒チエックシ—卜