医師が見つけた「若返り細胞」レシピ

老化細胞の排除と新たな若い細胞の誕生へ “ネオエイジング”治療

著者 藤林 万里子
リチャ-ド・フランシス・ウォ-カ-
ジャンル 実用・趣味
シリーズ 健康・美容
出版年月日 2021/11/12
ISBN 9784341088026
判型・ページ数 4-6・224ページ
定価 本体1,500円+税

本書は『ネオエイジング』(東邦出版刊)を改稿、タイトルを変更した作品です。

プロロ—グ ◉ 「えっ、信じられない」といわれるほど若返りたい人に
  藤林万里子(東京美容外科銀座院 院長)

「鏡を見るたびにぞっとします。まさか自分がこんなに老けてしまうなんて、若いころには考えもしませんでした。とはいえ、無理に長生きしたいわけではありません。実際の年齢より少しだけ、贅沢をいえば10歳だけでも、若々しい顔、姿で素敵な人生を送りたい…… 切実にそう思います」
 おそらく、これがある程度年齢を重ねた人の多くの共通意見でしょう。
 でも、けっして高望みの話ではありません。本書は、いままでのアンチエィジングの概念を根本から覆す、全く新しい若返りの世界、「ネオエイジングワールド」にあなたをお連れします。

 毎朝、鏡を見れば顔のシワやたるみが気になり、体にはあふれんばかりの体脂肪。筋肉を動かせば衰えを感じ、足・腰・関節にも違和感が出はじめる今日このごろ。
 どんな人にも訪れる老化です。そもそも人の体は少しずつ衰えていき、長期間使えるようにはなっていないのでしよう。
 なぜヒトは歳をとると、顔にシワやたるみが現れるのでしようか?
 答えは一つとは限りません。ここではヒトの「成長」と「老化」を理解するうえで参考になる回答を紹介します。
 その答えとは「老化して頭が小さくなったから」です。
 ここでいう「頭が小さくなった」とは、頭=(頭がい骨)だけに限った話ではありません。老化によって生じる頭の縮小は、顔やあごなどの顔面部分を含めた頭部全体に及びます。しかも、老化の影響は骨だけに留まりません。頭全体を包んで外力から守っている筋肉や、顔の筋肉(表情筋)・脂肪組織なども痩せてしまうからです。その結果、頭部全体を覆っていた皮膚は相対的に余ってしまい、顔の肌にシワやたるみを生じさせてしまうのです。
 「そんな話は極端すぎる。肌の老化には、日光紫外線による光老化の影響も考えるべきだ」といった意見もあるでしよう。しかし、そうした影響を老化原因と決めつけるのは、見当違いだと思います。単に紫外線は肌の老化を早める「促進因子」の一つに過ぎないから です。
 それよりも、まず私たちの体のなかの「真の老化原因」を見いださなければなりません。 実は、老化をもたらす第一の原因は成長ホル モン分泌の「急速な減少」にあるのです。そして、この「頭の骨が小さくなる……」という現象にこそ、その答えがあるのです。

 また、見た目や体調の変化にだけ注目していても、老化の本質はなかなか見えてきません。
 たとえば「老化のせい」として見落としがちな変化に、皮下脂防や内臓脂肪の沈着といった「肥満」の問題があります。
 肥満を老化と関連づけるのは、難しいかもしれません。「歳のせいで、顔にシワやたるみが出はじめた」という人は多くても、「歳のせいで、太ってしまった」というような人はあまりいないからです。医療機関でも、若返り治療と肥満治療は、異なる科が担当するでしよう。このように医療領域では当たり前にわかっている症状でさえ、担当科が違うとそれぞれを結びつけて考えない事柄が多いのです。
 本書ではそうした点を踏まえ、最初にヒトの老化を見直すところから話を始めます。続いて、真の老化原因となる成長ホルモンの減少と、ヒトの老化を取り巻く数々の仕組みについて話を進めていきます。
 そのうえで老化に対する正しい概念と、その後に始まる新しい若返り対策『ネオエィジング治療 (NEO-AGING)』について、その理解を深めてもらいたいと思います。
 そして、「えっ、信じられない。どう見ても〇歳にしか見えないわよ」と驚かれるような 若さをぜひ手に入れてください。
 なお、第5章と第9章は、リチャード・フランシス・ウォーカー氏が、そのほかの章は、 わたくし藤林万里子が執筆しております。


 著者経歴 

藤林万里子(ふじばやし・まりこ)

【経歴】
Sayre School 卒業 (中高一貫、米国・ケンタッキー州レキシントン)
慶應義塾大学環境情報学部 卒業
CTC伊藤忠テクノサイエンス株式会社
(現・伊藤忠テクノソリューションズ株式会社勤務)
New York Medical College 留学
東海大学医学部医学科 卒業
慶應義塾大学病院 初期研修
東海大学医学部付属病院 形成外科 勤務
東海大学医学部付属病院 形成外科 助教
東海大学医学部付属八王子病院 形成外科 勤務
医療法人輝咲会 スキンリファインクリニック 吉祥寺院 院長
東京美容タト科銀座院 院長
現在に至る。

【資格】
日本形成外科学会 認定専門医
日本臨床皮膚外科学会 正会員
日本美容外科学会(JSAPS) 正会員
日本レーザー医学会 正会員
日本アンチエイジング外科学会 (JAAS) / ネオエイジング分科会 主幹 


  翻訳者経歴  

RICHARD FRANCIS WALKER, Ph.D.,R.Ph.
リチャード・フランシス・ウオーカー

【経歴】
ヒトの老化に関する成長ホルモン研究の第一人者。大学卒業後に基礎医学領域を中心とした成長ホルモンに関する論文を多数執筆。過去、日本において成長ホルモン補充療法の講演を多数行うも、その後、新たに開発された「成長ホルモン放出ペプチド」の優位性に着目し、それを利用した若返り治療の研究と医薬品開発を継続中。 

 【職歴】
南フロリダ大学 理事
南フロリダ大学 (生化学・分子生物学教室) 教授
ペンシルバニア医科大学 (薬学) 教授
ケンタッキー大学メディカルセンター (解剖学・分子生物学) 准教授
カリフォルニア大学バークレー校 (生理学・解剖学) ポスドク研究員
デューク大学医学部 (神経内分泌学) ポスドク研究員
ライガー大学 (生理学) 博士
ニューメキシコ州立大学 (生物学) 修士
ライガー大学 (薬学部) 博士
Prosoma Therapeutics LLC ヴァイスプレジデント
Clinical Interventions in Aging 編集長
Journal of Anti-Aging Medicine 上級臨床編集委員
Rejuvenation Research 編集安員
Evidence Based Integrative Medicine 編集委員 

 
  翻訳者経歴  

E.F.SATO (い-・えふ・さとう)

【経歴】
2008年、ケセラパートナーズとして各種の医薬品・サプリメント類の開発を担当。
2012年より医療法人社団東京M I T学術研究室長 (兼任)。
2019年、JASS日本アンチエイジング外科学会『ネオエイジング分科会』(学術兼任)。
上記それぞれに関わる翻訳業務にも携わりつつ、2021年に執筆活動を開始。

医師が見つけた「若返り細胞」レシピ  目次

プロロ-グ ◉ 「えつ、信じられない」といわれるほど若返りたい人に

第1章 老化に抵抗するのではなく体のなかから若返る

本当の若返りを実現するには
ヒトは老いには勝てないのだろうか
若返り能力は復活する
成長ホルモン剤は一切使用しない
成長ホルモン、細胞骨格、ミトコンドリアの連鎖「メトセラサイクル」

第2章 いま、あなたの全身に老化が進んでいる

老化モ—ドの入り□での間違った対処法?
30代、顔の肌に始まる老化
「太っちゃった」……それ、老化の始まりです
筋肉や骨格、関節に始まる老化の兆候
なにもしなければ全身が老化していく
根本的な老化防止は、細胞の若さを呼び覚ますこと

第3章 自分の体を形作っている 細胞を知ろう

再計算されたヒトの細胞数は37兆個
若返りの鍵は細胞分裂
細胞分裂には二つのタイプがある
細胞にも寿命があり、常に生まれ変わっている(細胞分裂)

第4章 若返りは細胞骨格から

どの細胞にも「筋肉」がぎっしり詰め込まれている
若返りの根本構造「細胞骨格」
もう一度、細胞のなかを見直そう
一番細い「アクチンフィラメント」
細胞内輸送や染色体の分配を担う「微小管」
引っ張りに強い「中間径フィラメント」
細胞はダイナミックに「動いている」ことも理解しよう

第5章 成長ホルモンが若返りに果たす役割
text by Richard Francis Walker

成長ホルモンと、成長ホルモン放出ホルモン
成長ホルモンの若返り作用「セルアクチン効果」
忘れがちな成長ホルモンの「脂肪異化」作用
睡眠と若返りの密接な関係
合成した成長ホルモンと、ホルモン補充療法の問題点
私が成長ホルモンの補充療法をやめた理由
ドーピング薬剤としての成長ホルモン剤

第6章 ミトコンドリアを元気にする

生命維持にも深く関わるミトコンドリア
ネオエイジング治療にはミトコンドリアの活躍が不可欠
ミトコンドリアは異常を生じた細胞を迅速に取り除く
アポト—シスとは「プ□グラム細胞死」
老化とは頻繁なアポト—シスの増加と体細胞数の減少
若返り治療に必須のミトコンドリア機能を再生

第7章 老化と若返りの鍵をテロメアが握っている

テロメアは細胞分裂の回数券
細胞核にはDNAが詰め込まれている
テロメアはそれぞれの細胞に「92力所」存在する
テロメアの構造と細胞分裂の仕組み
老化はテロメアの機能が低下したせいかもしれない
DNAの長さを復活させる酵素「テロメラ—ゼ」
「ヒトの細胞が分裂できる回数は有限である」/ヘイフリックの限界

第8章 だれも考えつかなかった若返り それがネオエイジング治療

ネオエイジング治療は部分修正ではなく、体の根本を変える
3つのステッブ
若返り作用を得るための秘訣は「ゆっくり」
分裂可能な細胞を狙い撃つ
ネオエイジング治療の対象とならない細胞
ネオエイジング治療の意味

第9章 ネオエイジング治療に用いるアミノ酸ペプチド複合剤
text by Richard Francis Walker

ネオエイジング治療に求める医薬品の条件は「簡単で安全」
アミノ酸ペクチド複合剤の各種情報(医薬品添付文書より抜粋)
その他の注意点【追補】

第10章 これが実際のネオエイジング治療

皮膚(肌)の若返りは、表皮最下部の「基底層」から
肥満は老化であると認識する
【肥満治療の補足】セルライトは消すことができる
急速に衰えが生じやすい筋肉の増強
骨の若返りにはネオエイジング治療が極めて有効
関節/軟骨の再生を促す
頭髪の脱毛、白髮化には早期に対応する
歯・口腔/歯ばかりではなくあごの骨にも注目
性機能/精神的・肉体的な満足感のために
ゲノム系の対策と、エピゲノム系の対策

エピロ—グ ◉ 「若く見せる」のではなく、心身とも若返るという概念

參考文献・業績
謝辞 ◉ アンチエイジングという言葉を考え直す時

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