犬の通訳士 彼らとエネルギ-で繋がる方法

すべて実話です! 動物だけではなく“人間通訳”のエピソ-ドも初収録。

著者 アネラ
ジャンル 実用・趣味
シリーズ エッセイ・ライトエッセイ
出版年月日 2021/06/30
ISBN 9784341087944
判型・ページ数 4-6・208ページ
定価 本体1,364円+税

まえがき

 「どうやって動物と会話するの?」とよく聞かれます。

 はっきりいうと、私にもよくわかりません(笑)。私は動物の言葉がわかりたくて勉強したり学んだりしたのではなく、気がついたら自然にできていたということなのです。

 私たち人間は、自分の考えや気持ちを表す「言葉」という道具を持っています。動物たちは言葉というツールはないけれど豊かな感情があり、自分の気持ちや心の内をしっかりと伝えてきます。また、伝えるだけではな く、相手のこともきちんと理解しているように感じています。そう、人間の言葉をしっかり読み取れるのです。

 どうやって? それはたぶん、相手のエネルギーをキャッチして理解し、自分が伝えたいときはエネルギーを発して、うまくいえないけれどそんな感じです。そんな動物たちのなかに私も混じらせてもらい、みんなと会話しているような気がします。

 エネルギーのようなものですから、"音"を変換しているのではありません。犬がワンワンと吠えているから怒っているとか、キャンキャンと鳴いているから寂しがっているとか、ヒット商品の『バウリンガル』のように"犬語"を人間語に翻訳しているのではありません。ハワイの猫だからといって英語で話しかけてくるわけではないので、言葉の壁は私の通訳に関しては全く問題ではありません。私も声に出して問いかけたりしません。 目に見えない"なにか"、耳に聞こえない"なにか"でやりとりしているのです。

 エネルギーをキャッチするということは、特別難しいことではないと思います。

 皆さんも日常の生活のなかでやっていることで、たとえば旦那さん、奥さん、友達だったり、会社の上司だったり、相手の「感情」を読み取ることはありますよね。人間同士の場合、エネルギーというよりも感情といったほうがわかりやすいと思うので、ここでは感情という言葉を使うことにしましょう。「あぁ、なんか機嫌が悪そうだな」と察知してそっとしておくとか、「今日は調子がよさそうだわ」と思って声をかけてみるとか。その延長上だと思うのです。

 犬や猫が、あなたがイライラしているとき何気に寄り付かなかったり、明らかに避けたり。超忙しいときに限って「なんで?」と思うようなことをしてきたり。そんな経験はあるでしょう。その逆に、あなたがとても疲れているときや心が弱っているときに、気づいたら傍にペットが寄り添ってくれていたり。あなたの感情、あなたのエネルギーをしっかりと読み取っているのです(あなたも知らず知らずのうちにエネルギーを出していることになります)。

 動物と同じように、人間の赤ちゃんもエネルギーを上手に読み取っていると思います。お母さんがイライラしていると、その感清をキャッチしてむずがったり、夫婦喧嘩をしているとバタバタと落ち着かなくなります。ママとパパのネガティブな感情から発生するエネルギーで空気がどよ一んとして、重くなって、居心地が悪いのだと思います。

 赤ちゃんと動物たち、特に子犬、子猫のような幼い動物たちは、脳の構造、頭の使い方、発するエネルギーが似ているなぁと感じるときがあります。赤ちゃんは無垢で、嬉しい、怒ってる、悲しい、楽しい、甘えたい、嫌い、 イヤなど、感情を素直に表現します。若い犬や猫も、赤ちゃんと同じように正直な自分をさらけ出します。ハイハイができるくらいの赤ちゃんと子犬が一緒に遊んでいる場面に居合わせると、「エネルギーレベルで交信しているの?」と感じることが多々あります。

 人も動物も時を経るにしたがって経験を重ねて知恵をつけていき、感情の赴くままに表現することをやめてしまいコントロールするようになるものですが、どちらかというと私は脳の構造や頭の使い方が大人になっても成長せず、動物や赤ちゃん寄りのような気がしています(笑)。初めて会う犬や猫、初対面の赤ちゃんにじ〜っと見つめられたり、すう〜と私の傍に寄ってくることが多く、飼い主さんやお母さんによく不思議がられます。 もしかしたら動物たちや赤ちゃんから、「アタシと同じレベルね」と思われているのかもしれません……。

 私は、自分の頭の仕組みがほかの人とどう違うのか、どうなっているのか、なぜ動物たちとの会話が成り立つのか、本当に自分ではわかりません。 そして、私には葛藤があります。それは飼い主さんに「ご自分を信じてください」といつもいいながら、自分の通訳に対しては立証が難しいということもあり、内心「本当かな?」と思いながら伝えることもあるからです。 自分の能力を信じ切れていない自分がいるのかもしれません。

 私にとって通訳とは、動物たちが発するエネルギーをただただ言葉にして伝えること。伝える内容が正しいか正しくないかは、そのあとの話です。 結果として、わんちゃんの命がつながったり、猫ちゃんの問題解決の糸口がつかめたりして、飼い主さんから「救われました」「前向きになれました」といっていただけるので、その事実は事実として素直にありがたく頂戴しょうと思っています。とはいっても科学的に証明されたわけではないため、いつも本当に不思議に思いながらの日々が本音です。

 そんな折、2017年秋に横浜国立大学で特別講師として「人と動物の幸せな共生を考える」という講義を2日間行うご縁に恵まれ、動物たちにも豊かな感情があることを大学生に伝えるために教壇に立ちました。

 私を推薦してくれた安野舞子准教授にとって、得体の知れない「アネラ」を教壇に立たせるのはチャレンジであり、賭けであり、大きな壁を打ち破る大仕事だったと思います。実際に、一部の学生から「アカデミックな国 立大学という場所でスピリチュアル系の人を教壇に立たせるのはいかがなものでしょうか」といった意見が出たことを教壇に立つ直前に知らされました。100人以上も入る教室には、全く動物に興昧がない学生もいました。

 私は事前に「なにを話そうか」といろいろ考えたのですが、結局ぶっつけ本番で学生と向き合いました。

 すごい場違い感ですし、初めての経験で極度に緊張して、なにをどう話したか、もう思い出せません。ただ、途中で学生の質問に「むむむっ!」 としてしまい、鼻から煙が「ふが〜っ」と出たのは事実です。そこからム キになってしまったことはしっかりと覚えています(笑)。

 2019年は横浜国立大学の教壇に今度は東京都獣医師会副会長の小林獣医師と立つチャンスをいただきました。小林先生は講義を受ける前の学生たちに壇上から、「今日の授業は感性で受けてほしい」といってくれました。「アネラさんは、自然科学、ナチュラルサイエンスだ」と学生たちに語りかけ、「理屈ではなく、感性で考えてほしい。立証される、されないではない」という主旨の話をしてくれたのです。

 私の心のなかの葛藤がスッと柔らかくなりました。

 私の通訳のすべてを信じるというのではなく、私がキャッチした情報によって、常識では解決できない問題の突破口や、病気の治療法といったものを発見していく-。ふたつの“科学”がバランスを取りながらそれを行っていく-。

 2020年も講義を依頼されていましたが、コロナでハワイから飛ぶことができず泣く泣く断念。その代わりに本書を執筆して、葛藤しながら少しずつ成長していく私を知っていたたこうと思いました。

 本書はここ数年のあいだに起きた、私と、動物たち(主にわんちゃん) と、飼い主さんの"本当の話"です。最後の章では人間の通訳も紹介しています。

 証明されないけど、本当のお話です。

  多くの動物に囲まれて育った東京での幼少時を経て、19歳で米国へ。ハワイで結婚と離婚を経験、シングルマザーとして2人の娘を育てる。
大手旅行会社、ホテル勤務を経て各種セラピス卜の資格をとり、自身のサロンを開業する。子どもたちの独立を機に、動物保護シェルターでのボランティア活動もスタート。
そこで「動物の言っていることを理解する能力」に周囲のスタッフが気づき、アニマルコミュニケーションを始める。正確でリアルな「通訳」にはリピーターが後をたたない。

著書に『犬の気持ち、通訳します。』『ドッグ・オラクル・カードブック』『猫の言い分 お伝えします。』『犬から訊いた「お留守番のストレスがやわらぐ」CDブック』『ウチのわんこが思うこと。』『旅立ったあの子に聞きたかったこと』『犬の声が聞こえる犬と人の心をつなぐメッセンジャー』などがある。ホノルル在住。

犬の通訳士 彼らとエネルギーで繋がる方法

まえがき

第1章 犬たちの返答

ウサギを追いかけて穴に落ちた
ド—ナッツのこと、バラします。
すべてお見通しですよ〜
大豆アレルギ—に気づいてね
一日一日を大切に過ごしているよ
ヒゲを切らないで
犬はお化けが見える?
気になる男の子がいるの
お父さんが一番大好き!
サンセベリアではなくホワイトアロエですが

第2章 ずっとそばにいる

空の上からお父さんへ
時間をくれてありがとう
いつも一緒にいるでしょ
人参ケ—キが美味しくて
僕の写真を並べてほしい
あんなことあったよね
花見に行こうよ!
肉まんの皮が好き!
赤いバラ、 青い箱
助けてくださいと叫んだの
うちにおいでよ

第3章 通訳ができるようになるまで

不思議な祖母に育てられ
庭にたくさんの生き物たち
コロボックルを信じて
大蛇が家に
私の母は・・・・・
前世療法で知った自分
ネィティブアメリカンの過去世
独立してサロン経営
宿命・運命、人と動物の違い
本来の自分に戻るって?

第4章 “人間通訳”はじめました

退行催眠時の不思議な体験
散歩にも行っているわよ
介護は肩肘張らずにね
人生ゲ—ムがしたい!
僕は絵を描くのが好きなんだ
金色ポ—チを探して

あとがき 流れに身を任せ・・・・・・

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