新刊

今こそ大切にしたい共育

共に育ち、共に育む 心ときめく教育

大人を信じて頼ってほしい 先生を信じて頼ってほしい そして自分の命の力を信じてほしい 

著者 腰塚 勇人
ジャンル 教養
シリーズ エッセイ・ライトエッセイ
出版年月日 2023/05/25
ISBN 9784341088323
判型・ページ数 4-6・228ページ
定価 本体1,300円+税

はじめに

 この原稿を書き始めた今年のはじめ、正月の話題作が数多くある中で、アニメ映画「THE FIRST SLAM DUNIC」が大ヒットしていました。このアニメの舞台は神奈川県立湘北高校のバスケット部。じつは、40年近く前になりますが、私も神奈川の県立高校でインタ-ハイを目指しバスケットボールに青春を燃やしていました。
 インターハイ予選で県ベスト4に残りましたが、決勝リーグ1回戦を負け、後がなくなった、あの湘北高校と同じシチュエーシヨンでした。
 そこから、実際の私は神奈川2位でインターハイ出場を果たしました。今となっては良き思い出の1ページになっています。

 最初にスラムダンクが大ヒットしたのは、私が大学生の時でした。物語の設定場面が神奈川県の鎌倉、出てくる高校もあの高校でした!
 そして、ゲーム中の桜木花道をはじめ、選手たちの勝負・チームへの強い思いがリアルに「分かる、分かる」でした。大好きな漫画で単行本を全巻揃えました。

 そのスラムダンクが26年を経て復活したのです。そして、またもや大ヒット。
 ここには 時代が変わっても夢を追いかける仲間たちがいます。そして、先生との「信じあう力」があります。
 どんなに時代が変わっても決して尖ってはならない、変わってはいけないメッセ—ジがある気がします。初めてスラムダンクを見る人たち、特に若い人たちは、物語の中にある何かに「憧れ」を抱いているのかもしれません。
 中国でもこの「スラムダンク」が空前の人ヒットをしているようです。国こそ違いますが 同世代の若者たちを魅了してやまない何かが、この物語にはあるようです。
 スラムダンクは、「夢をあきらめないことの大切さ」を教えてくれています。

 令和になった現代で、「昭和の時代」がブームになっているように、スラムダンクの中には、いくつもの不変のメッセージがあります。
 「習慣性」「セルフイメージ」「目標達成」「心技体の大切さ」「チームワーク」「今に生きる」「感動」「結果のとらえ方」「感謝すること」など、大切な言葉がいくつも並びます。

 今の社会は、学歴、成績さえよければすべて良し、そして「今だけ」「自分だけ」「金だけ」・・・、「だけ」だらけです。本当の生きる幸せとは何なのか、それを忘れています。そういう意味では「スラムダンク」は警鐘を鳴らしているのかもしれません。

 ここで、私「腰塚勇人」をはじめて知る方に少し自己紹介させてください。
 2002年3月1日。それまで22年間順風満帆に、天職と思えた教師人生を送ってきた私でしたが、その人生の歯車を大きく狂わせる出来事が起きました。
 それは、スキー場での事故で首の骨を折って「首から下がまったく動かなくなってしまった」ことでした。
 医師は「たぶん、一生寝たきりか、良くて車イスの生活になるでしょう」と妻や両親に宣告しました。
 「どうやったら死ねるか・・・」と思い続け日々。そんなことばかり考えて人間に、「生きる勇気」を与えてくれた言葉があります。
 それは妻の「何があっても、ず-っと一緒にいるから・・・」、母の「代われるものなら代わってあけたい・・・」。そして、上司、教師仲間と生徒たちの「先生、待っているから・・・」、その言葉でした。
 2010年5月事故から時を経て、これまでの私の人生をありのままに書き綴った一冊の本が刊行されました。その本の題名は『命の授業』です。

 「命ってなんですか?」
 「命は今、今日。自分が自由に使える時間、それが命です」
 私は命の危機に直面しました。だから、わかるんです。今日一日を生きていること、そして每日を生きていること、それを実感できること、それが「命」なんだ。
 「一日24時間、生徒も先生も、そして保護者も、みんな平等にある。一日の積み重ねが一年、その積み重ねが人生なんだ」
その人生の大切な期間が「学校生活」の一日、一年。
 学校生活を楽しくするのは、子どもたちだけでなく、先生方も、保護者の皆さんも同じ。楽しくするか、つまらなくするか、一日をどう過ごすか、決めるのは自分。

 「信頼する」「良いところを伸ばしていく」「認め合う」「セルフイメ -ジ」、これは親子関係でも、先生と生徒の関係でも、保護者と先生の関係でも同じです。
 教育は教える側、教えられる側が、互いに成長しあってするものではないでしょうか。共に育ち共に育む「共育」であってほしいものです。まずは自分の胸に手を当てて 問いかけてみませんか。
 せっかくの人生です、夢を叶え、感動する生き方をしませんか。自らが、人生の主人公になって、家族や同僚、仲間たちと、“共育”を大切にしたいものです。

 私には、夢の実現を加速させる方法を教えてくれた方がいます。その方は、ベストセラー作家の望月俊孝さんです。
 教員人生を卒業し、命の授業の講演家になる時には、多くの人から「安定した生活をなぜ捨てる」と反対されましたが、「腰ちゃんならできるよ!!」と一番応援してくれ、一緒に宝地図作りをしてくれました。

 その時の私が体験した一番の感動は、「夢が叶ったワクワク感と、夢が叶った時にどんな自分でいるのか=ふさわしい自分を鮮明にイメージできたこと」でした。
 自分の良さをたくさん発見できたこと、すなわちセルフイメ-ジが爆上がりし、「私はできる」「私は大丈夫」と自分を信じることができました。

 この時に気づけた重大なことがあります。
 人は、夢にチャレンジしている最中の苦しさであろうと、何か人生の問題に向き合っている時だろうと、その解決方法が問題なのではなく、一人では最後まで頑張り続けられないことが一番の問題なのだ、ということです。
 望月さんは、私が講演家として自立するまで伴走してくれました。
 その晋さんからの一番の教えは、「せっかくの縁を大切にすること。育てること。楽しむこと」「人生も仕事も縁joyだよ」
 私にとっての「安西先生」(湘北高校の監督)です。

 今回、メンターである望月俊孝さんが本の帯コピーを書いてくれました。いつかお願いできたら・・・、その夢が叶いました。この上ない喜びです。
 望月さん、ありがとうございます。
 本書は、2012年1月から毎月発行する「腰ちゃん通心『幸縁』」の記事を基に加筆・編集したものです。
 本書を手に取ってくださった皆さんとの「幸縁」がこれからもつながりますことを心より願っています。

   2023年5月

          感謝を込めて 腰塚勇人

♦著者略歴

腰塚勇人 (こしづかはやと)

命の授業講演家
1965年神奈川県生まれ。元中学校体育教員。元養護学校教員。
大学卒業後、教師になる夢を叶え「熱血指導」の日々を送る。
2002年、スキーでの転倒で「首の骨」を折り、呼吸ができなくなり命と向き合う経験をする。命は助かったものの首から下が動かない深刻なマヒ状態に絶望の日々を送る。その絶望を希望に変え生きる力を与えてくれたのが家族・匿療スタッフ・学校の先生や生徒たち、ドリー夢メーカーの存在であり、ケガからの学びは「一人で生きていない」「自分の命は自分だけのものではない」「命は自分も人も傷つけるために使ってはいけない」「助けてくれる人は必ずいる」障がいを残しながらも学校現場へ復帰を果たすものの、全国で広がる子どもたちのいじめ問題、自殺、うつ病。子どもたちの命を助けることができるのなら・・・。
その思いより2010年3月に教師を辞し命の授業の講演家に。
2023年3 月までの全国で2160回の講演回数。そのうち7割が学校。実際に子どもたち・先生・保護者の命と誰にも言えない心の声と向き合う日々を送る。そして講演で必ず最後に子どもたちに伝えること。大人や先生を信じて頼って大丈夫。「助けて」を言って大丈夫。必ず君たちを守ってくれるドリー夢メーカーいるから!!大人として、親として自分自身にも言い聞かせている言葉である。

著書には『命の授業』(ダイヤモンド社)『感謝の授業』(PHP研究所)『気もちの授業』 (青春出版)がある。

第1章 保護者へのメッセ-ジ

まさか我が家に起こるとは・・・、不登校になった息子
1.本当の豊かさ
2.今の時代、不足が不足している
3.命を考える
4.子育てを考えるならば
5.直(じか)の放棄
6.心の偏差値 ~むごい教育~
7.本当の自信をつける
8.人ひとりを見る
9.乗り越えたわけではない
10.理解してあげる
11.すべては自分が源
12.頭が強いだけ
13.「ありがとう」と「ありがたい」の違い
14.子どもの成長に必要な「父性」「母性」
15.子どもを育てるとは
16. 今の時代だからこそ、コミュニティ—は大事

★保護者へのメッセ—ジ

第2章 先生方へのメッセ—ジ

恩師からもらった言葉「プロとは」・・・。
1.先生になりたい
2.叱り方に差をつける
3.名を取るより実をとる
4.生徒、子どもたちへの一番のキャリア教育の実践者は
5.ランドセルの中身
6.下からは良く見える
7.学びを、自分を責める材料にしない
8.校長先生が少なくなった
9.夢は「YOU・ME」
10.ドリ—夢フェイス
11.気もちの授業
12.人格は足から変わる
13.研修とは
14.誰のために仕事をしているのですか
15.自主性と主体性
16.仕事は仲間と共にするもの
17.見習うところはどこ?
18.休むも仕事
19.ファンはいますか
20.校長のひとり言

★先生へのメッセ—ジ

第3章 子どもたちへのメッセ—ジ

小学3年生、僕の担任が本気で泣いた
1.「忘己利他」〜もうこりた〜
2.裏方を知る、陰を知る
3.気づきに気づく ~間にあってよかった~
4.人生最高!!〜自分で決められる〜
5.夢を叶えた一歩
6.「守り」に入る
7.二つの質問
8.迷っていい
9.あなたの目を今、売ってください
10.足の引っ張いより・・・
11.人の心を軽くできる人
12.四十年前の言葉は今も私の中で生きています
13.なぜ、 学校へ行かなければならないのですか?
14.「助けて」って言っていいんだよ。
15.悩みは言葉にした瞬間、小さくなる
16.ドリ—夢ワ—ド
17.ドリ—夢アクション
18.人を助けることはできなくても、人を傷つけないことはできる
19.僕の学校に来てください
20.ダイヤモンドはなぜ光る?
21.奇跡なんて起こせない
22.ありがとうドリ—夢メーカー

★子どもたちへのメッセ—ジ

第4章 今、日本人として

1.生きる意味
2.平和とは
3.使命 知覧.鳥濱初代さんの話
4.知覧特攻平和会館
5.どうした日本人
6.「日本」のこと、何て言います?
7.君が代・日の丸

★日本人へのメッセ—ジ

第5章 命の授業へのメッセ—ジ

子どもたちに聞かせたい
 ひたちなか市PTA会長磯崎俊宏
1年生の娘が!!
 小学1年生の保護者
大人も変える命の授業
 小田原市PTA会長大川晋作
生きることの伝道師
 船橋市小学校校長渡邊尚久
四方よしで世界を救う!!
 元高槻市中学校校長木村久美子
「腰塚勇人と下関市いのちの日」
 前下関市教育長波佐間清
忘れられないあの瞬間
 ㈱コウリヨウ・第七合同 代表取締役 持田優
一歩を踏み出す勇気をもらった
 ㈱新宮運送代表取締役木南一志
「和を重んじる日本人」
徳塾「修身館」主宰寺井一郎

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