若化!(じゃっか)  医師が見つけた若返る3つの魔法

3つのゲノム対策が、老化細胞除去治療を実現!

話題沸騰のNMNに加え、人気上昇中のGHRP-2、PEDsを紹介。若さを医療で獲得する時代が来た

著者 宇野 克明
ジャンル 実用・趣味
シリーズ 健康・美容
出版年月日 2021/05/31
ISBN 9784341087913
判型・ページ数 4-6・216ページ
定価 本体1,500円+税

まえがき 〜臨床医主導の若返り医療が始まった〜

若返りを医学する

 私たちヒトの「若返り」や、「寿命」を制御しているもの。
 そのセントラルコントロール(中央制御機能)が、「視床下部」という脳の中心部に存在するといわれているが、未だそのすべての解明には至っていない。
 しかし、ヒトの若返りや寿命について"実体あるもの"に限るとしたなら、多くのしくみが明らかになりはじめた。筆者らの臨床研究チームが見いだした“3つのゲノム”への対策はその成果の一つだろう。
 これまで私たちはアンチエイジングと称して老化に抗い、闘ってきた。そしてある日、 一つのことに気がついたのだ。もしや、「老化」の反対(対義語)は、「若化」ではないか。加齢に抗っているだけでは、いつまで経っても真の若さに近づけない。敢えて逆行させることで、初めて「若化」が獲得できるのではないか、と。

 本書は、抗いつつもやむなく老化を受け入れてきた現状から、少しでも若く健康なからだに近づくための方策を述べた一冊である。本書ではそれを"若返りの源流対策"と称し、3 つのゲノム系の若化治療「3 Genome’s for NEOAGIMG (スリ-ゲノムス・フォ-・ネオエイジング」について述べていく。
 なぜ、若返りの源流対策が必要なのか。それは、私たちの生命と若さの根本を3つのゲノム (源流)が陰で支えているからだ。
 では、3つのゲノムとはなにを意味するのか、まずはそれから簡単に説明していこう。

 ❶ゲノム(ヒトの細胞核に備わる遺伝子DNA:略称nDNA)

 ❷ミトコンドリアゲノム(ミトコンドリア固有の遺伝子DNA:略称mtDNA)

 ❸エピゲノム(ゲノムにつけ足される、二次的な遺伝情報)

 若返りにもっとも重要な源流が、❶のゲノムだ。ゲノムとはヒトの細胞核に備わった遺伝子DNAのことであり、このゲノムが適切に機能しないと、ヒトの命も若返りもすべてが成りたたない。
 次になにが必要か。そう、エネルギ-の供給だ。その役目をはたすのが、2番目に重要な❷ ミトコンドリアゲノムだ。これは細胞の中にある小器官、ミトコンドリアに備わっている固有 のDNAだ。
 本書では、この二つのゲノムを古典的な若返りの源流として話を進める。そして近年、新たにもう一つの源流が加わった。
 それが3番目に重要な❸エピゲノムだ。エピゲノムとは細胞核のゲノム配列につけ足される遺伝情報のことだ。その概念を「エピジェネティクス」という。この概念が遺伝学に新たなパラダイムシフトをもたらすことになっていく。

 筆者の所属する医療系学術団体『JAAS日本アンチエイジング外科学会』の一研究部門『ネオエイジング分科会』は、2018年に新たな若返り医療プロジェクト『ネオエイジング(NEOAGING)』を静かにスタートさせた(注:医療プロジェクトとしたのは、世に氾濫するサプリメント類や、民間療法レベルで行われている若返り療法などとは明確に区別するため)。
 そして、そこでの研究と臨床への応用によって数多の医学的知見をもたらし、治療を受けた人々に確たる恩恵を与えることになった。

 20世紀の中盤に初めて見いだされたゲノム。 この遺伝子DNAからなる構造体が若返りや長寿研究の対象として注目されるようになり、続いてミトコンドリアゲノム、エピゲノムの発見につながっていった。
 そして、いまやこのプロジェクトが、人々が待ち望む"若返り・健康長寿"に対して、数々の医療手段を提示しはじめたのだ。
 不遜な言い方かもしれないが、本書の内容をぜひご覧になって、悲願であった若返り・健康長寿の実現に“運よく間に合った”と実感してほしい。

 筆者は、外科医として臨床に従事する傍ら、教育者として大学医学部で細胞生物学・生体構造機能学も教え、研究者としては若返りに不可分の免疫学にも携わってきた。そうした専門家の一人として、いま注目される最新の知見を存分に活用してもらいたいと思う。 そして、それが読者の方々の若返り・長寿に対する考察の一助となれば幸いだ。


■宇野克明(うの・かつあき)

医師・医学博士(外科・腫瘍免疫学・細胞生物学)。1986年東海大学医学部卒業。(臨床・研究歴) 86年東京女子医科大学第二外科、88年杏林大学医学部第一外科、2001年東海大学医学部外科、04年哈爾浜医科大学名誉教授。(現職)14年医療法人社団東京MITクリニック理事長・院長に就任。 ケセラパートナーズ代表兼任。
紺綬褒章(2016〜2020年)。

まえがき 〜臨床医主導の若返り医療が始まった〜

若返りを医学する

序章 いま話題の「若化」とは

「老化」の対義語「若化」
「老化細胞除去治療」という発想
クリニカルフィ—ルド(臨床現場)のフィ—ドバックが必要だ
【3Genome's for NEOAGING (スリ—ゲノムス・フォ—・ネオエイジング)】
ゲノム系の若化対処 GHRP-2によって細胞の物理構造を若返らせる
ミトコンドリアゲノム系の若化対処 PEDsによってミトコンドリア機能を若返らせる
エピゲノム系の若化対処 NMNを用いて老化によって蓄積した遺伝情報エラ—を排除する

第1章 37兆個の細胞でできたヒト

ヒト細胞の起源は「古細菌」
ミトコンドリアの起源は「真正細菌」
ミトコンドリアの正体
ミトコンドリアが共生関係に至るまで
ウイルスの侵入
細胞核はウイルスが作った
コラム❶ イントロン・スプライシングシステム

第2章 あなたの細胞の真実

細胞はどうやって増えるのか 〜細胞分裂〜
二つの細胞形態がある幹細胞
アポト-シスとネクロ-シス 〜細胞死〜
がんは老化の究極の姿
正常細胞とがん細胞、エピゲノムの違い

第3章 ゲノム系の若化

ゲノム系の若化 GHRP-2によって細胞のタンパク質構造を作りだす
細胞のでき方(セントラルドグマ)
細胞の根源を作りだす
細胞骨格の構築
細胞表面のMHC分子がアイデンティティを作りだす
オルガネラを生成し老化細胞を排除するミトコンドリア
ホルモンや各種の酵素類の合成
成長ホルモンとGHRP-2
ホルモン補充療法に代わる新たな若化対処
コラム❷ GHRP-2を用いた若化対処とは
コラ厶❸ セントラルドグマの話
タンハク質のとり方
エネルギ—源のとり方
コラム❹ 肥満と健康
若返り成分を謳ったサプリメントの多くが効果に疑問
酸化物(活性酸素種やフリ—ラジカルなど)は悪者ではない

第4章 ミトコンドリアゲノム系の若化

ミトコンドリアゲノム系の若化 電子供与体によって「エネルギ-サプライ」と「リサイクルチェ-ン」の機能を回復させる
ミトコンドリアの役割「エネルギ—サプライ」
ミトコンドリアは体重の10%の重さ
電子をやりとりすることが「酸化—還元」反応
電子伝達系という名の「装置」
電子伝達系からATP合成酵素までが「酸化的リン酸化(オクスフォス)」
ミトコンドリア内部での「電子リ—ク(漏電)」
大量の電子リークを回避する「脱共役」
ミトコンドリアも若返るが細胞からは出られない
コラム❺ ヘイフリックの限界
ミトコンドリアの二つめの役割
アポト—シスのしくみと加齢による変化
“賢い”電子供与体「PEDs (ペッズ)」
妊活用途のPEDs
若化用途PEDs
コラム❻ 若化対処にビタミンCなどの抗酸化サプリは用いない

第5章 エピゲノム系の若化

エピゲノム系の若化 NMNの内服によって通伝情報のエラーを修復する
ゲノム系(セントラルドグマ)の若化
ゲノムへの情報のつけ足し
ヒストンという名の小さなタンパク質
NAD+が必要な「サ—チュイン」=ヒストン脱アセチル化酵素の役割
そもそものNAD+の重要性
サ—チュイン遺伝子とは
NAD+とSirt1
いつNMNを摂取するか
世界的なマーケティングにも成功したNMN
NMNとGHRP-2の服用サイクル
コラム❼ サーチュインはNMNを待ちかまえていた?
NMNの摂取量

第6章 老化環境と老化細胞の若化

若化に対応したその他の医薬品
からだの若化環境を整備する医薬品 メトホルミン
からだの若化環境を整備する医薬品 アスピリン(アセチルサリチル酸)
細抱のリサイクルチェ—ン環境を整備する医薬品 ラパマイシン(mTOR阻害剤)
細胞のリサイクルチェ—ン環境を整備する医薬品 ダサチニブ ケルセチン
その他の老化細胞除去治療
東京大学医科学研究所の発表概要(ウェブサイトより)

第7章 これからの若化「ネオエイジング」

実は私のための医療
本書のおさらい
これからは若化「ネオエイジング」の時代
ネオエイジング・シンポジウム発表
GHRP-2/研究
NMN/研究
ネオエイジング分科会主要メンバー
謝辞
発刊に添えて

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