昭和の映画ベスト10 -男優・女優・作品-

昭和の時代、映画と銀幕スターは憧れと希望だった。昭和の銀幕スターの知られざるエピソ-ドが満載。

著者 西川 昭幸
ジャンル 実用・趣味
シリーズ 趣味・娯楽
出版年月日 2019/06/28
ISBN 9784341087395
判型・ページ数 4-6・276ページ
定価 本体1,500円+税

 確かに昭和の映画は生活の息吹がほとばしっていた。サイレント(無声)時代からトー キー映画へ、更にカラー映画、ヮイドスクリーン映画と次々に多様化した時代だった。
 映画は全てが手作りで、アナログト時代と言っていい。まさに昭和の映画は日本の経済成長と共にあり、 近代映画の発展期であった。
 本書では、そうした時代を俯瞰し、男優、女優、作品のべスト10を取り上げてみた。 映画には社会性や芸術、教育を求める作品もあるが、大衆は娯楽としての映画を歓迎した。
 そのため、ここでは、「映画は娯楽」との立場から、その時代時代に愛された俳優や作品などに想いをはせてみた。
 しかし、本書での「べスト10」はあくまで著者の判断であり、人それぞれ映画への想い出は多く、違いも有る。そのため読者諸氏には、たとえば同期が集まった際、病気自慢や孫の話ばかりでなく、本書をネタに、自分の思うところを大いに議論して貰いたいと思う。
 そうして頂ければ、本書を出版した意図も報われると自画自賛出来る。

                                            (はじめに/より)

 
著者プロフィール

西川昭幸(にしかわのりゆき)
1941年北海道生まれ。 束洋大学社会学部卒。 大学ではマス・コミニューケーション論、特に新聞学を専攻。1964年束映AG入社。映画広告や、配給宣伝、映画製作のノウハウ、広告代理業務を学ぶ。 この年から年間200本以上の映画を観ることが日常化する。
20年間務めた束映を退社し、1984年角川春樹事務所北海道支社長に就任。「札幌・角川シアター」を開設し、支配人として映画興行に従事。
1998年千葉真一が主宰するジャパンアクションクラブ(JAC)と日光江戸村(㈱時代村)へ転籍。テレビ番組「徳川無頼帳」(24話)や、 時代劇特番3時間スぺシャンのプロデューサーで活躍。
2002年独立。
2005年、「美空ひばりフィルムコンサート」でハワイ、ブラジル始め、12年間で全国237公演を実施。その後フリーとなり現在、公益社団法人理事などを務める。

 <著作経歴>

l986年6月、「北の映画物語」、 北海道映画史を物語風に描いた作品, 北海道・地方紙「北海タイムス」(夕刊)に200回連載する。
2011年6月、 「美空ひばり公式完全データブック 永久保存版」(角川書店)、美空ひばりの全記録(足跡、楽曲、映画、演劇、テレビ・ラジを出演、趣味、他) を4年間掛けて調査・編集した、ひばりプロ認定のデータ本。2015年4月、「活字の映画館 明治-大正・昭和編」 (ダーツ出版)、日本映画界史を、北海道興行から捉えた資料編。
2016年3月、「日本映画l00年史」(ごま書房新社)、日本映画を一般の人にも解り易く紹介した著書。
2019年4月、「美空ひばり最後の真実」(さくら舎)、語られることが無かった、美空ひばりの真実を、証言者を交えて描いた著作。

第一部 男優べスト10

長谷川一夫 (昭和59年没) 誰もが憧れた永遠の二枚目

10歳で初舞台
東京駅で一万人のファンが殺到
暴漢に左頬を一二センチ斬られる
襲撃の首謀者は?
長谷川一夫として東宝で再出発
「銭形平次」がブ-ムに
国際映画祭で受賞した二作品
NHK大河「赤穂浪士」で空前のギャラ

三船敏郎 (平成9年没) 日本一の名優、世界のミフネ

カメラマン志望が黒澤明に見いだされる
監督黒澤と名優三船
「羅生門」で世界へ羽ばたく
国民に希望と勇気を与えたグランプリ受賞
三船プロで撮影所開設
有力スターらが映画製作
三船敏郎の素顔
ミフネ死亡のニュースは世界を駆け巡つた
「本当によくやったなあ」

渥美清 (平成8年没) 寅さんひとすじ、庶民派俳優

欠食児童で長期病欠の小学生時代
14歳で就職するもグレて家に寄り付かず
地方のドサ回りから大衆演劇の道を歩む
死を覚悟した肺結核
A子の献身的な支えで再生する
テレビの登場で運が開ける
昭和四三年「男はつらいよ」始まる
苦しんだ病との聞い
謎に包まれた私生活

高倉健 (平成26年没) 偉大な大根役者から寡黙な演技派へ

一四歳で終戦、大学出るも就職先なし
芸能プロのマネジャー志望がスカウトされる
江利チエミと結婚
人気を決定づけた「網走番外地」
「昭和残侠伝」で任侠スターに
「健さん」に全共闘も「異議なし!」
新境地を求めて独立
偉大なス夕―のその後

市川雷蔵 (昭和44年没) 美男で演技派、日本映画界の貴公子

出生から暗い過去を背負う
映画界で長谷川一夫に続くスターへ期待
「炎上」で新境地を開く
代表作「眠狂四郎」シリーズ
勝新太郎がみた市川雷蔵
病魔が襲う
三七歳で旅立つ

勝新太郎 (平成9年没) 役者バ力を演じて半世紀、座頭市とともに

月とスッポン、雷蔵と勝新
「悪名」がヒット、当たり役になる
自分も驚いたギャラアップ
ライフワークとなった「座頭市物語」
大映高収益の立役者
個人的トラブルが続発
六二歳で破天荒な生涯を閉じる

萬屋錦之介 (平成9年没) 東映時代劇の黄金期を支えた重鎮

デビュー作は美空ひばりの相手役
「一心太助」と「宮本武蔵」が当たり役に
有馬稲子と結婚するも
錦之助の文芸作品
東映俳優クラブを組織
テレビ時代劇「子連れ狼」

石原裕次郎 (昭和62年没) 日本で最も愛された男

タフガイ裕次郎の出現
デビュー作「太陽の季節」で社会が騒然!
好青年裕次郎作品が次々とヒット
石原裕次郎失踪事件の真相
石原プロダクション設立
裕次郎の私生活
昭和を駆け抜けた大ス夕―の短い生涯
俳優生命を掛けた「黒部の太陽」が大ヒット
劇団民芸字野重吉は生涯の恩人

菅原文太 (平成26年没) アウトロ-を演じて一躍スタ-に

遅咲き俳優の初主役はヤクザ
「ハンサム・タワ-」
深作欣二との出会いでトップスタ-へ
「ポスタ-に俺の顔なんか入れなくていい」
不良性態度が受けた「トラック野郎」
興行界では「トラ対寅」の対決
私生活では家族思いの頑固おやじ
硬派番組「菅原文太 日本の底力」

仲代達矢 (現役・無名塾主宰) 重厚な演技で日本映画を牽引

ヌーボー然とした風采から愛称は“モヤ”
「七人の侍」後日談
「人間の条件」軍隊の非人間性を活写!
「切腹」カンヌ映画祭で審査員特別賞
「御用金」で三船敏郎と大喧嘩
仲代は舞台人、無名塾の創設

第二部 女優べスト10

田中絹代 (平成9年没) 日本映画史を生き抜いた大女優

「軍国の母」の変貌に大バッシング
日本映画史に燦然と輝く大女優
ベルリン映画祭主演女優賞
自由奔放だった私生活
「田中絹代賞」第一回受賞者

李香蘭 (後・山口淑子) 日中戦争の狭間で翻弄された銀幕の名花

作られた「親日的な中国女優」
国威発揚映画が大ヒット
あやうく戦争犯罪人として銃殺刑に
祖国日本と母国中国の架け橋

原節子 (平成27年没) 永遠の処女、伝説の女優、その讃美は止まらない

15歳でデビュー
「晩春」で主演女優賞
原節子人気でロケ先が大混乱
世界の名作「東京物語」
神秘に包まれた女優

高峰秀子 (平成22年没) 天才子役から国民的ス夕―へ、女優が嫌いだった大女優

五歳娘役でデビュー
杉村春子の演技に衝撃
女優業で不動の地位も養母が多額の借金
五五歳で女優業を引退
助監督黒澤明に淡い恋心
俳優・エッセイスト三傑のひとり

京マチ子 (平成31年没) 特異なキャラクターで国際グランプリ女優へ

グランプリ女優
「痴人の愛」「羅生門」
主演作が相次いで海外で受賞
撮影中のエピソード
活動の場を舞台に
銀幕で親子の対面

美空ひばり (平成元年没) 大衆娯楽映画の女王だった歌謡界の女王

大衆に最も愛された「女優」
ひばり人気の凄まじさ
「ジャンケン娘」アイドル映画の先駆けに
大部屋俳優を大事にした
記憶に残る女優ひばり

岩下志麻 (現役) 清純派から極道の妻まで!変幻自在の名女優

第二の岸恵子
五辨の椿
心中天網島
はなれ瞽女おりん
鬼畜
鬼龍院花子の生涯
極道の妻たち
「姐さん、おはようございます」

吉永小百合 (現役) 清楚で美貌、昭和を鮮やかに駆けぬけた銀幕ス夕―

家族ぐるみで芸能界入りを応援
「キューポラのある街」から「愛と死をみっめて」
映画の斜陽化
父親の猛反対で「忍ぶ川」を断念
両親不在の結婚式
吉永小百合の素顔

富司純子 (前・藤純子、現役) 女を封じて悪を斬る「緋牡丹博徒」で一世風靡!

マキノ監督に見いだされる
「任侠映画の花」引退、華麗なる復帰
「緋牡丹博徒」で大ブレーク
主題歌もヒット
本人が語る「緋牡丹博徒」撮影秘話

薬師丸ひろ子 (現役) 時代を疾走した日本一のアイドルスター

「野生の証明」で一躍アイドルに
合格までの裏話
角川春樹の洞察力が当たった
「セーラー服と機関銃」超ヒットで、“かいか~ん”
機動隊まで出動した舞台挨拶
薬師丸スキーを楽しむ
角川映画の誕生
俳優だけでなく「歌手」の顔も
プライべートの薬師丸

第三部 作品べスト10

「東京物語」(28年) 小津安二郎監督、家族愛を描いた名作
「七人の侍」(29年) 世界を席巻した日本映画の金字塔
「二十四の瞳」(29年) 日本映画史上不朽の名作
「椿三十郎」(37年) 歌舞伎調の時代劇を斬る!
「浮雲」(30年) 複雑な男女愛を描いた成瀬巳喜男監督の最高傑作
「飢餓海峡」(40年) 内田吐夢監督の圧倒的執念が凝縮された巨編!
「男はつらいよ」(44年) 国民映画となった下町の人情劇
「仁義なき戦い」(48年) 仁義にツバ吐くやくざの実態を描く群像劇!
「砂の器」(49年) 人間の運命を追って胸迫る感動作!
「幸福の黄色いハンカチ」(52年)ロード・ムービー映画の傑作

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